新型コロナウィルスに翻弄された2020年も残り2か月を切りました。大変な日常は続いていますが、青空は高く澄んで、今年の紅葉は例年以上に美しい気がします。多くの変化を余儀なくされましたが、日常の中にたくさんの気づきを得た人も多いのではないでしょうか。
11月におススメ本に「ノスタルジア食堂: 東欧旧社会主義国のレシピ63」(イスクラ/グラフィック舎)を選びました。
おススメ本にはこれまで何度もレシピ本が候補になったのですが、なんとなく決め手に欠けていました。 鮮やかで懐かしい感じのエメラルドグリーンの表紙のこの本は手に取ったらその軽さにびっくり! たくさんの美しい写真とシンプルにまとめられたレシピ。『え⁉️この色?』『間違いなく美味そう‼』『どんな味がするんだろう』と純粋に興味を感じましたし、食器などのデザインは見て楽しいです。
サワークリームやビーツなどの野菜は今でこそ日本でも手に入るようになって、食べれますが、どちらかというとおしゃれな料理で私にはそれほどの親しみ易さはありません。でもこの本ではそれらを使ったシチューなどが地域で呼び名が少し変化しつつも馴染みや共通性があり、 日本の味噌汁のように愛され昔から普通に食べられているのがわかりました。
東欧の社会主義国時代のものなので残念ながら、現存していない会社や食堂もあるそうです。 だからこそ行間(レシピ間?)から物語のような気配も感じました。
社会の変化やテクノロジーの進歩、流通の向上などで恩恵を受けることが多い反面、 日本でも、昔ながらの物や場所、そこにしかないものという地域性が無くなって来ています。 懐古主義では有りませんか、少し淋しくなった感は否めません。
レシピ書籍という形で失われた時代の文化の輝きの記録を残してくださった著作の方に感謝です!