お知らせ

今月のおススメの一冊 – 2023/12

今年は、日中まだダウンコートの必要がないくらい暖かい気温の師走です。朝晩はそれなりに冷え込むので自律神経も調子を整えるのが大変だろうと思われます。気温差や気圧差は知らぬ間に身体に影響をおよぼしますのでしっかり休息・睡眠をとって備えて過ごしましょう。

今年最後のおススメの一冊に選んだのは、ダ・ヴィンチに連載されていたコミックエッセイ『わたしの夢が覚めるまで』著者:ながしま ひろみ 株式会社KADOKAWA)です。

優しく柔らかい線で、すっと物語に入っていけました。主人公は38歳、1人の女性を中心に置いてあります。強く主張するのでも無く、かと言って緩い話でも無く、他の登場人物たちもしっかりとした形作られたキャラクターで、それぞれが動き回り、多重構造で物語が進んでいくので、謎解き要素もあり、引き込まれます。人生で遭遇する様々な出来事が粛々と、現実と夢にまたがり、描かれていきます。

人間誰しも悩みや望みがあるものです。そして、一人で生きているわけでなく周りの人々と共に生きる事で、人間として存在していると痛感させられます。ちょっと哲学的な気持ちにもなりますが、頑張っていこうと静かに思わせる感覚は、歳末助け合いのような温かさです。年末年始の忙しい年の瀬に、この詩のような物語は肩の力が抜けていいなと感じました。楽しい思い出、苦しい場面、切ない出来事…人体は睡眠中に最も脳が情報を処理・整理し、身体も免疫が働いて回復すると言われていますが、この本はまさに読後に、ホッとすっきりするそんな不思議な気持ちにさせる本でした。

みなさまと来年も頑張っていきたいと思っております。