お知らせ

今月のおススメの一冊 – 2024/08

皆様、夏のバカンスを楽しんでいますか。今年はパリオリンピックが開催され、観戦を楽しんでいる人は、おウチ時間も充実しているのではないでしょうか。毎年、夏の最高気温が更新され、高熱レベルの数値が、その日の最高気温であることを目にするのも日常化してしまいました。水分やミネラルをしっかり摂って、涼しい室内にいても、外気温がこれほど高いと、熱中症になるリスクがあるようです。エコ温度は27~28度ですが、暑く感じる場合は室温を24~25度へ下げるなどして、無理せずに過ごしましょう。オリンピックをLIVE観戦している方は睡眠不足は熱中症になるリスクがありますので、注意して楽しんでくださいね。

『もののけDaiary』(文 京極夏彦 絵 石黒亜矢子 岩崎書店)

8月ご紹介の一冊は、夏の風物詩の怪談です。江戸時代中期の広島県三次を舞台にした『稲生物怪録』が怪談です。私はこの絵本で初めて知り、広島には三次もののけミュージアムという面白そうな博物館もあるようです。

物語は、主人公平太郎の語りで進んでいくのですが、彼が淡々と語るところに凄みとユーモラスを感じました。登場する妖怪たちは、私が知っている妖怪とは違いますが、仕掛け絵本の効果も相まって、なかなかの迫力、実際に遭遇したら怖くなると思います。次々と現れる妖怪(もののけ)たちが、人の心理の隙を伺うかの様に現れ出てくる様は、おもしろ怖く、飄々と分析・論破する平太郎の在りようで、まるで禅問答のようです。争いごとは、とにかく冷静になって、相手の土俵に上がらないことが大切ですね。
印象的なのは、それまで淡々としていた平太郎が、聞き手の怖がり君への若者らしい最後の一言で、
私も怖さが和らぎ、ホッコリしました。

一つの、壮大な絵巻きを眺めているかの様な、満足感を得たことが嬉しくて、もう一度読んでみようと
思いました。暑い夏をしのぐ、一服の清涼剤として、怖く楽しいこの本を楽しんでみるのはいかがでしょうか。