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今月のおススメの一冊 – 2024/09

暦の上では秋になりましたが、まだまだ残暑厳しい9月。今なら非常識と思われる『運動中に水を飲むな』は、私がサッカーをやっていた中高校生の頃の常識でしたが、今であれば熱中症にかかり、命にかかわりますから、そんな発想はありえません。情報に溢れ、日々更新される今、諸行無常、変化に対して常に柔軟に取り組み、アップデートをしていかねばですね。

今回ご紹介する本は、9月の本、どうしようかと本屋さんをぶらついている時、表紙の「9」という数字がポンと目に入り、出会いました。

『その調理、9割の栄養捨ててます』(東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部 (監修) 世界文化社)

まずイントロダクションで、昔の野菜と現在の野菜では栄養素の成分が異なるという事実から始まります。現在の野菜は種類も多く、甘みも増し、美味しくなりましたが、栄養価という面では50年間より減少しているものが多いというのは衝撃を受けました。栄養学・調理科学は生命維持に欠かせない「食べる」ことに関わる分野ですから、とても身近な学問です。身近故、変化の事実に気が付きにくく、また、慣習での知識で過ごしていて、実は科学的エビデンスで明らかになること=アップデートが必要なことが多い分野です。

ひとりひとりの生活は状況により異なりますから、しっかり気をつけて食べているつもりでも、足りていないかもしれません。
食べ合わせの新たな情報や、葉物野菜の使い方の順番、切り方・加熱方法での栄養価の違いなど、画像で分かり易く紹介され、もったいない事をしていた、こうする方がいいんだ!と気づかされたり、夢中で読み進みました。効率的に効果を求めるとノイローゼになりそうですので、今後は、少しでもより良く、美味しく、食べ物を大切に、食事を楽しもうと思いました。

食欲の秋、正しく食べ物に向き合っていく事が、自分の身体を守る事に繋がると思える、おススメの一冊です。